幸せになる条件

お盆だったのでご先祖様がいるお寺にお参りにいきました。

そこには、冊子が置いてあっていつも読ませていただいているのですが、北九州市 龍王寺住職 の書かれた記事を掲載させていただきます。


幸福になる条件として『もっとお金があれば』『もっと地位があれば』『もっと健康であれば』と単純に考えてしまう時があります。これらの願いが叶った人は皆幸せになっているのでしょうか?お金があり余っていながら、孤独な人もいます。地位をつかんでも、その時だけの幸福感で終わってしまう人。100%の健康にこだわっていつも愚痴をこぼしている人。元文化庁長官の故河合隼雄先生は、人間が幸福であると感じるためには、二つの条件があると書いておられます。
『一つは自分の人生にきちんと向き合って自分の人生を生きること。もう一つは自分を越える存在とつながっているという感覚を持っている人(うちなる魂の声を聞ける人)』。
一つ目の『自分の人生にきちんと向き合って自分の人生を生きる』。仏教の根本思想に『縁起』があります。この世に存在しているものすべては原因と条件(縁)が寄り集まって存在しているという教えです。原因は私共の努力で積み上げていく事はできます。条件は私共の力では思うようにはなりません。時々悪いこと(原因)もしていないのに、『何故私だけがこんなに苦しまなければならないのでしょう?』とおっしゃられる方がおられます。
河合先生は、『このような苦しみに出会った時に、人生の主人公をおりないでください』とおっしゃっています。『自分だけがこんなに不幸だ』と言ってた人も主人公なんです。主人公をおりるとは、第三者的な視点で自分を見て嘆いてばかりいる人です。自分の人生の物語の主人公が他人になっている場合です。そうではなくて、今起きている事は、自分の物語の一ページです。主人公は自分なんだと気付いて下さい。気付くと『この不幸を背負って私は私の人生を生きます』と変わっていきます。淀んでいた川の流れが再び流れ出す感じだと思います。
明治に生まれた中村久子さんは、幼少の頃病気で両手両足を失いました。中村さんは、その当時、一人で食べていくには見世物芸人になるしか道はなかったのでしょう。その日その日を懸命に生きていかれて、人生の主人公をおりることはありませんでした。
中村さんは晩年はヘレン・ケラーからは『私よりも不幸な人。そして偉大な人!』と讃辞をおくられ、優しい夫と娘に背負われての満ち足りた講演の旅をおくられたそうです。
もう一つの『自分を越える存在とつながっているという感覚を持っている人』。自分を越える存在とは人によって違います。神であったり、ご先祖様や大自然もそうだと思います。心にこういう存在を持っている人は、苦しい時、危機と出会った時、内なる魂の声が聞こえてくると思います。中村さんのそれは阿弥陀仏でした。
誰もが幸せになりたいと願っているのですが、それを前面に出して追及し出すと失敗してしまう事が多いようです。そうではなくて、せっかく生まれてきたこの世で自分の人生をどのような物語に仕上げていくかに労力を使われてはどうでしょうか?そして内なる魂の声を心にもってください。
きっと人生の晩年に感謝と満足感が得られると思います。



少し長くなりました…。
私は恥ずかしい話宗教についてはあまり知りませんが、この記事のことは少し難しいですがなるほど〜と思い掲載させていただきました☆